前回の記事の予告編の通り、今回はLenovo ThinkCentre M720qのネタとなります。

先日はヤフオクでポチっとしたLenovo ThinkCentre M710q TinyのHackintosh化に成功し、
本ブログでも紹介したばかり。

M710qと見た目は大きく変更はないが、前面のUSBポートの片方がTypeCとなっているのが特徴

これに気を良くしたのかなぜか魔がさしてしまい。。
今回はM710qの後継モデルであるM720q Tinyもヤフオクで30,000円で落札。
勢いでポチってしてしまった筆者である。

散財し過ぎではあるが、知的好奇心の探求は止められない。
30,000円で購入を考えてしまってはいかんですね。
中古ショップの相場では約4〜5万ですので、3万円ならまぁお安いよねと。

Hackintosh化に成功

で、まぁこちらも手元に届き、早速Hackintosh化にチャレンジし、成功しました。

Opencoreのバージョンは0.7.9です。
サウンド、LAN、内蔵のIntelUHD 630など問題なく認識しています。

こちらの方々のGithubを参考にしようとしましたが、CPUの型番が違うので、
必要な箇所は自分で書き換えて他のファイルは流用させていただきました。

https://github.com/Quzard/m720q-hackintosh

https://github.com/revunix/ThinkCentre-M720Q


筆者のM720q Tinyの仕様

CPUの型番はi5-8500Tとなります。

今回も「T」が最後尾に付くタイプとなります。

CPUのコードネームとしては世代は前回の7世代の「KabyLake」から、
8世代となり、「CoffeeLake」。OpencoreでもCoffeeLakeの情報を元にConfig. plistを作成しました。

OpencoreのDevice Properties(M720q)

したがってOpencoreのDevice Propertiesは以下のように指定しました。

KeyValueType
AAPL,ig-platform-id07009B3EDATA
device-id9B3E0000DATA

M720qのOpencoreのEFIデータについて

筆者のGithubにEFIをアップしてありますので上記以外の詳細はそちらを参照ください。

https://github.com/akimitwo/Hackintosh_Lenovo_ThinkCentre_M720q


CPUのコア数は4コアから6コアへ

Intelの世代が一つ上がったことで、コア数については前回のM710qはi5-7400Tで4コアだったのですが、
今回のThinkCentre M720qは前述の通り i5-8500Tとなりますが、こちらは6コアとなります。
これにより、マルチコア性能は向上しています。


CPUi5-8500T(6コア)
RAM32GB
GPUIntel UHD 630

当然ベンチマークスコアでもそのコア数分のスコアが反映されていました。


Geekbench5スコア(CPU)

以下はUbuntuLinux 22.04でのスコアとなります。


Geekbench5スコア(CPU)

そしてこちらがHackintosh macOS11.6.5(BigSur)のスコアです。
Linuxより若干シングルスコアは低いですが、マルチは上回っています。
まぁこのあたりはバックグラウンドで動くアプリもあり、誤差の範囲でしょう。

Geekbench5スコア(OpenCL)

Geekbench5スコア(Metal)

GeekbenchのスコアではM710qとの比較では全般的には1割程度の性能アップと、
マルチコアではコア数分の性能向上を確認しました。

以下は比較表となります。(※macOSX BigSur / GeekBench5)

機種シングルマルチMetalOpenCL
ThinkCentre M710q(i5-7400T)817278240984374
ThinkCentre M720q(i5-8500T)962460945974891

M720qでEXP GDCは使えるのか?

こちらも動作するのか気になり、M720qでも検証してみたのですが、結果はM710qと同様。
WifiスロットにEXP GDCを差し込んだ状態では起動すらできませんでした。
画面には何も表示されないため、BIOSでホワイトリストなどの仕掛けがあるのかもしれません。
ただ、M720qにはもう一つ期待できそうなことがありました。
それでは以下で続けて紹介します。


M720qにはPCIe(Gen3)の拡張スロットがある

M710qとM720qの相違点として、M720qにはPCIe(Gen3)の拡張スロットがあります。

仕様上の記載ではそれぞれ以下になります。

M710qの拡張スロット

M720qの拡張スロット

はい、M720qにはPCI Express x8 の文字が!!

実際にどうなっているのか、以下の写真を見てみましょう。
仕様の通り、M720qの背面はロープロファイル用の蓋があり、取外し可能になっています。

M720qとM710qの背面比較


カバーを開けて中を見ていきましょう

M710qカバーオープン


M720qカバーオープン

M720qには赤枠の通り、PCIExpress用のスロットが確認できました。
しかし、Lenovoの仕様書には後からオプションで購入はできないとの記載がありました。


Aliexpressで上記のPCIe Riserを発見!

Aliexpressを覗いたところ、M720q、M920q向けのライザーカードを発見。
LenovoのアフターパーツはAliexpressならあるかもと思ったら予想通り販売されていました。
ということはですよ、ひょっとしたらこれでM720qでもGPUが動くかもしれません。
もちろん、こちらは迷わず注文済です。

あとはPCieのRiser ケーブルが揃えば、M720qでGPUが動作するのか検証可能になります。
また各種パーツが届いたら検証したいと思います。


まとめ

というわけで、今回はHackintosh化に成功したLenovi ThinkCentre M720q Tinyの紹介でした。
内蔵のPCIeスロットについてはGPUが動作可能かはまた後日検証後に紹介します。
拡張スロットの分だけ、M720qの方が遊べそうなマシンですね。
何かの参考になれば幸いです。