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Pixel 10 Pro FoldでSTEPファイルを表示・比較してみた|Android CADビューアを自作

明日には、いよいよ次世代のPixel 11シリーズが発表されます。

そんな新型Pixel発表の前日に、私は何をしているのかというと――

Pixel 10 Pro Foldで3D CADのSTEPファイルを表示するAndroidアプリを作っていました。

新型発表前日に旧モデル向けの記事を書く。

普通ならタイミングが悪いようにも見えます。

でも、Pixel 10 Pro Foldを使っていて以前から思っていたことがあります。

「この大画面、もっと仕事に使えるんじゃないか?」

Foldを開けば、普通のスマートフォンよりはるかに広い表示領域があります。

動画を見る。Webを見る。電子書籍を読む。

もちろん、それだけでも便利です。

でもせっかくなら、

3D CADを見る端末としても使えるんじゃないか?

そんなところから今回の実験は始まりました。


Pixel 10 Pro FoldでSTEPファイルを見たい

製造業や設計に関わっていると、STEP形式の3D CADデータを確認する場面があります。

もちろん、本格的な作業ならPCのCADソフトを使えばいい。

ただ、

「ちょっと形状だけ確認したい」

「加工前と加工後を見比べたい」

「PCを開くほどではないけれど、手元で3Dモデルを確認したい」

という場面もあります。

そこで、

AndroidスマートフォンでSTEPファイルを手軽に表示・比較する

ことに特化した小さなアプリを自作してみました。

名前は、「STEP DIFF VIEWER」です。


STEP DIFF VIEWERとは?

STEP DIFF VIEWERは、Androidスマートフォン上でSTEPファイルを読み込み、2つの3D形状を比較するための軽量ビューアです。

高機能なCADソフトをスマートフォン上に再現することは狙っていません。

目指したのは、

「PCでCADソフトを立ち上げるほどではない。でも、手元ですぐ形状を確認したい」

という用途です。

現在のベータ版では、Pixel 10 Pro Fold / Android 16で動作を確認しています。


Before / Diff Overlay / Afterで比較する

操作もかなりシンプルにしました。

基本となるのは3つの表示です。

Before

比較元となるSTEPモデルを表示します。

加工用途なら、加工前の粗材などを確認するイメージです。

Diff Overlay

今回の中心となる機能です。

2つのSTEPモデルを色分けし、同じ3D空間上に重ねて表示します。

これによって、

「どのあたりの形状が変化しているのか」

を視覚的に確認できます。

なお、ここで行っているのは厳密なブーリアン演算による幾何差分ではありません。

2つのモデルを同一座標系上で重畳することで、形状の違いを確認する方式です。

After

比較先となるSTEPモデルを単独で表示します。

画面の流れも、

Before → Diff Overlay → After

としました。

加工前を見る。違いを見る。加工後を見る。

機能を増やすより、迷わず確認できることを優先しています。

断面図も見れます(X軸)


Pixel 10 Pro Foldとの相性はなかなかいい

実際にPixel 10 Pro Foldで動かしてみると、Fold端末と3D CADビューアは意外と相性がいいと感じました。

通常のスマートフォンサイズでも3Dモデルは確認できますが、Foldを開いた状態なら表示領域にかなり余裕があります。

3Dモデルを回転させたり、拡大して細部を見たりする用途では、画面の広さがそのまま使いやすさにつながります。

もちろんPC+大型ディスプレイのCAD環境とは比較になりません。

でも目的が違います。

設計する端末ではなく、確認する端末。

そう考えると、Fold型スマートフォンには面白い可能性があります。


比較するため、CAD本来の座標関係を重視した

今回もう一つ意識したのが、3Dモデルの位置関係です。

一般的な3Dビューアでは、モデルを見やすくするため、自動的に中央へ配置したり表示位置を調整したりすることがあります。

単独でモデルを見るだけなら便利です。

しかし2つのCADデータを比較する場合、それぞれを勝手に移動してしまうと本来の位置関係が分からなくなります。

STEP DIFF VIEWでは、読み込んだモデル同士の座標関係を維持して比較することを基本方針としました。

見栄えよりも比較用途を優先しています。


削られた差分のみ抽出できるのか?

当初は、加工前モデルから加工後モデルを3Dのブーリアン演算で差し引き、

「削られた部分だけを表示する」

機能も考えていましたが、今回利用する技術では困難なため見送りました。

そのためシンプルな重畳比較のみとなります。


STEP DIFF VIEWER ベータ版を公開

現時点での動作確認環境は以下です。

アプリ:STEP DIFF VIEW Beta
動作確認OS:Android 16
動作確認端末:Google Pixel 10 Pro Fold
対応ファイル:STEP(.step / .stp)
提供:ベータ版

その他のAndroidバージョンや端末については、現時点では未検証です。

また、STEPデータの形状や複雑さ、ファイルサイズによって、読み込み時間や表示結果が異なる可能性があります。

アプリ上ではデモデータも用意しているので、STEPファイルを持っていなくても基本的な操作を試せます。

ベータ版の詳細、利用方法、注意事項についてはNoteにまとめました。

👉 「STEP DIFF VIEWER」ベータ版公開はこちら

「こんな機能が欲しい」といったフィードバックも大歓迎です。


Foldスマホを「見るための仕事道具」にできないか

今回作ってみて改めて思ったのですが、Fold型スマートフォンは単に「画面の大きなスマホ」だけではないのかもしれません。

特に製造業のように、3Dモデルを見る。図面を見る。設備情報を見る。

現場の写真とデータを照合する。

といった用途では、ポケットに入る大画面端末にはまだ使い道がありそうです。

そして明日には、次世代Pixel Foldが姿を現します。

新型では当然、性能も進化してくるでしょう。

それでも、新型発表の前日にPixel 10 Pro Foldでこんなアプリを作っているのも悪くありません。

スマートフォンの価値は、新しい機種を買うことだけではなく、今持っている端末で「何ができるか」を増やすことにもある。

STEP DIFF VIEWは、そんなPixel 10 Pro Foldの使い方を探す実験の一つです。

まずはベータ版で実際の声を聞きながら少しずつ育てていこうと思います。