なぜ今「ZorinOS」なのか?
Windows10のサポート終了が近づくにつれ、
「次はどうする?」という話題がSNSや技術系コミュニティでも増えてきた。
その流れの中で、「Linuxももう現実的なのでは?」という声とともに、
ZorinOS の名前を見かける機会が目立つようになっている。
筆者自身、これまでデスクトップLinuxとして
elementaryOS、Manjaro Linux、Garuda Linux、EndeavourOS を実際に使ってきた。
一方で、ZorinOSやPop!_OSについては「一度入れてみただけ」という位置づけで、
正直なところ、本格的に使い込んだ経験はなかった。
そこで今回は、
「本当に日常利用に耐えるのか?」
「Windowsからの移行先として現実的なのか?」
という視点で、ZorinOSをあらためて腰を据えて検証してみることにした。
結論から言ってしまうと──
想像していたよりもずっと、「Linuxだから我慢する」場面は少なかった。
なお、ZorinOSには複数のエディションが用意されているが、
今回検証に使用したのは ZorinOS Core Edition である。
まず最初につまずいたのが日本語入力だった
ZorinOSを入れて最初に違和感を覚えたのが、日本語入力の挙動だ。
- 日本語変換が不安定
- 全角/半角キーの挙動が一定しない
- Capsキーを押すと日本語入力モードに入る
- Capsキーの大文字・小文字が逆転する
正直なところ、「何を押しても意図しない動きをする」状態で、
細かく設定を詰めれば直るのかもしれないが、そこまで付き合う気力はなかった。
原因の切り分け
切り分けの結果、原因はデフォルトで使われている ibus だと判断した。
そこで思い切って fcitx5 に切り替えたところ、挙動は一気に安定した。
Fcitx5 の導入
以下で fcitx5 と mozc を導入し、ibus は削除した。
sudo apt install fcitx5 fcitx5-mozc
sudo apt remove ibus
自動起動でハマった点
これで入力自体は安定したのだが、次にハマったのが 自動起動 だった。
よくある以下の「おまじない」は、ZorinOSでは効果がなかった。
GTK_IM_MODULE=fcitx5
QT_IM_MODULE=fcitx5
XMODIFIERS=@im=fcitx5
/etc/environment に書いても効かず、.profile に書いてもダメ。
毎回ログイン後に fcitx5 & を実行するのも現実的ではない。
試行錯誤の結果、分かったことは以下だ。
/etc/environmentに書いても意味はなかった.profileも効果なし- autostart 用の .desktop ファイルで起動させるのが正解
自動起動の設定方法
以下で autostart 設定を行った。
mkdir -p ~/.config/autostart
cp /usr/share/applications/org.fcitx.Fcitx5.desktop ~/.config/autostart/
GUI上には分かりやすい自動起動設定が見当たらなかったが、
この方法でログイン後に fcitx5 が確実に起動するようになった。
終わりに
結果として、Fcitx5でZorinOS日本語入力は完全に安定した。
ZorinOSで日本語入力の挙動に違和感を覚えた場合、
最初から ibus を切り捨てて fcitx5 に移行するのが最短ルートだと思う。
同じところで詰まっている人の参考になれば幸いだ。



