さて、今回はUbuntuLinuxネタとなります。
いよいよUbunu22.04の正式リリースが4月となり待ち遠しいわけですが、
先行してDevelopperBranch版のUbuntuServer22.04を試してみました。

尚、今回はクリーンインストールとしました。

Server版の場合はテキストインストーラですが、これはほぼ変わらないようです。

筆者の場合のインストール後のルーティン作業は以下

・日本語対応作業
・ラップトップ電源周りの設定
・リモート関連設定(OpenSSH)
・NFS-Client設定、/etc/fstab

・OpenLiteSpeed、MariaDB-Serverのインストール

上記に加え今回は以下を実施

・LVM領域拡張設定
・Code-Serverのインストール


日本語対応作業

Ubuntuの場合は以下を行います。
日本語パッケージの導入、bashrcの編集

$ sudo apt install language-pack-ja

~/.bashrcに以下を追記します。

export LANG="ja_JP.UTF-8"
export LANGUAGE="ja_JP.UTF-8"

ラップトップ電源周りの設定

液晶の蓋を閉じてもサスペンドさせない

修正対象ファイル
/etc/systemd/logind.conf

上記ファイルの以下の部分のコメントアウトを解除、=以降を「ignore」に修正。

<修正例>
#HandleLidSwitch=suspend(修正前)
HandleLidSwitch=ignore(修正後)

そして以下コマンド実行。

sudo systemctl restart systemd-logind

スリープ無効化

以下を実施

$ sudo systemctl mask sleep.target suspend.target hibernate.target hybrid-sleep.target

Created symlink /etc/systemd/system/sleep.target → /dev/null.
Created symlink /etc/systemd/system/suspend.target → /dev/null.
Created symlink /etc/systemd/system/hibernate.target → /dev/null.

SSHについて

以下と同様の手順を実施


Nfs-client設定

NFSクライアントをインストール

Ubuntuの場合は、以下のコマンドとなります。

$ sudo  apt install nfs-client

NFS領域を手動でマウントする

以下コマンドでマウントします。

$ sudo mount -v 192.168.x.x:/home/public /home/hoge

NFS領域をLinux起動時に自動マウントさせる

以下のように/etc/fstabを編集します。

192.168.1.110:/home/public	/home/hoge	nfs	defaults 0 0

次に紹介するのは今回新たに実施した手順となります。

LVMの領域を拡張する

インストール後にディスク領域を確認したところ、
本来あるはずの容量分が使えないことに気がつきました。
なんと以下のように100GBでリミット掛かっている状態でした。


lvm領域を確認

lvdisplayコマンドで確認します。

$ sudo lvdisplay
  --- Logical volume ---
  LV Path                /dev/ubuntu-vg/ubuntu-lv
  LV Name                ubuntu-lv
  VG Name                ubuntu-vg
  LV UUID                4BaB8R-TCiN-PyaM-ed7y-7Wdl-r6lz-2c7DFx
  LV Write Access        read/write
  LV Creation host, time ubuntu-server, 2022-03-24 10:54:06 +0000
  LV Status              available
  # open                 1
  LV Size                100.00 GiB
  Current LE             25600
  Segments               1
  Allocation             inherit
  Read ahead sectors     auto
  - currently set to     256
  Block device           253:0

本来であれば実際には250GBくらい使えるはずなのです。
FDISKで確認すると以下。

デバイス   開始位置  最後から    セクタ サイズ タイプ
/dev/sda1      2048   2203647   2201600     1G EFI システム
/dev/sda2   2203648   5349375   3145728   1.5G Linux ファイルシステム
/dev/sda3   5349376 500115455 494766080 235.9G Linux ファイルシステム

今回デフォルトインストールしたところこのような状態となりました。
デフォルトではLVMが採用されており、100GBでリミットかかってしまったようです。


いざLVM領域を拡張

筆者は特にディレクトリを別途分割して使う予定もないため、
こちらを拡張 することにしました。

拡張には「lvextend」コマンドを使います。

$ sudo lvextend -l +100%FREE /dev/ubuntu-vg/ubuntu-lv

Size of logical volume ubuntu-vg/ubuntu-lv changed from 100.00 GiB (25600 extents) to 235.92 GiB (60396 extents).
Logical volume ubuntu-vg/ubuntu-lv successfully resized.

これでリサイズは終わったとのこと。
再度、先ほどの「lvdisplay」コマンドで見ると以下


$ sudo lvdisplay
  --- Logical volume ---
  LV Path                /dev/ubuntu-vg/ubuntu-lv
  LV Name                ubuntu-lv
  VG Name                ubuntu-vg
  LV UUID                4BaB8R-TCiN-PyaM-ed7y-7Wdl-r6lz-2c7DFx
  LV Write Access        read/write
  LV Creation host, time ubuntu-server, 2022-03-24 10:54:06 +0000
  LV Status              available
  # open                 1
  LV Size                235.92 GiB
  Current LE             60396
  Segments               1
  Allocation             inherit
  Read ahead sectors     auto
  - currently set to     256
  Block device           253:0

しかし、この時点ではまだ反映されていません。


$ df -h
Filesystem                         Size  Used Avail Use% Mounted on
tmpfs                              787M  1.5M  786M   1% /run
/dev/mapper/ubuntu--vg-ubuntu--lv   98G  8.5G   85G  10% /
tmpfs                              3.9G  136K  3.9G   1% /dev/shm
tmpfs                              5.0M  4.0K  5.0M   1% /run/lock
/dev/sda2                          1.5G  126M  1.3G  10% /boot
/dev/sda1                          1.1G  5.3M  1.1G   1% /boot/efi
tmpfs                              787M  4.0K  787M   1% /run/user/1000

LVM領域を使えるように反映

反映するには「resize2fs」コマンドを追加で実行する必要があるようです。

$ sudo resize2fs /dev/ubuntu-vg/ubuntu-lv
resize2fs 1.46.5 (30-Dec-2021)
Filesystem at /dev/ubuntu-vg/ubuntu-lv is mounted on /; on-line resizing required
old_desc_blocks = 13, new_desc_blocks = 30
The filesystem on /dev/ubuntu-vg/ubuntu-lv is now 61845504 (4k) blocks long.

※xfsの場合は

※尚、フォーマットが「xfs」の場合は「xfs_growfs」となるようです。


はい、これで無事にLVM領域が拡張できました。

$ df -h
Filesystem                         Size  Used Avail Use% Mounted on
tmpfs                              787M  1.5M  786M   1% /run
/dev/mapper/ubuntu--vg-ubuntu--lv  232G  8.5G  213G   4% /
tmpfs                              3.9G  136K  3.9G   1% /dev/shm
tmpfs                              5.0M  4.0K  5.0M   1% /run/lock
/dev/sda2                          1.5G  126M  1.3G  10% /boot
/dev/sda1                          1.1G  5.3M  1.1G   1% /boot/efi
192.168.1.110:/home/share3         110G   16G   89G  16% /home/share3
tmpfs                              787M  4.0K  787M   1% /run/user/1000

OpenLiteSpeedのインストール

リポジトリからのインストールは行えなかったため、公式からバイナリをダウンロードして
インストーラ実行でのインストールで対応しました。

まだ以下の手順は対応不可のためインストールが行えませんでした。

そこで、以下手順によりインストールしました。


MariaDB10.7のインストール

リポジトリが対応しておらず、普通にaptから10.6のインストールしかできませんでした。

$ sudo apt install mariadb-server

Code-Serverのインストール

VSCodeのWEB版となります。

こちらは以下コマンドでインストール可能でした。

$ sudo curl -fsSL https://code-server.dev/install.sh | sh

以下でサービスを有効化、起動します。

$ sudo systemctl enable --now code-server@$USER
$ sudo systemctl start code-server@$USER

尚、デフォルトの設定だとlocalhostしかアクセスできないので
(デスクトップLinux上でセルフ利用のみとなる)、
ネットワーク上の他のPCからアクセス可能なように
以下のように設定ファイルを編集します。

$ vi  ~/.config/code-server/config.yaml
bind-addr: 127.0.0.1:8080
 auth: password
 password: xxxxxxxxx
 cert: false

上記のbind-addrを0.0.0.0にします。
ポート、パスワードも任意なものに変更します。

bind-addr: 0.0.0.0:8xxx
 auth: password
 password: xxxxxxxxx
 cert: false

まとめ

今回はUbuntu22.04の先行版でいくつかインストール検証を実施した結果をお伝えしました。
筆者にとっては使い慣れたUbuntuですので、特段問題なく、各種アプリケーションが最新に近づいて、
安定度が増したという印象です。
尚、pythonは3.10.3となっておりました。

OpenLiteSpeedはUbuntuの正式リリース後には対応したリポジトリが登場するかと思いますが、
現時点ではバイナリでのインストールで対応しました。

mariadb-serverも最新の10.7は使えませんが、今後は使えるようになるでしょう。

最新が使える最先端のArchLinuxも良いですが、突然ライブラリを消されることもあり、
開発していくには安定した環境がやっぱり大事だと思います。

そんなUbuntuが少しだけ新しく生まれ変わるということで、こちらも要チェックなディストリビューションと言えるでしょう。
今後も安定したWEBサーバを運用する際の候補になるかと思いますね。

現時点での検証結果を紹介しました。

何かの役に立てば幸いです。