考えなくていい環境を作る、位置情報×音声通知の自動化
はじめに
iPhoneからPixel、いやAndroidスマホに乗り換えてから強く感じているのは、
「Androidは自動化ツールを組み込むことで自由なカスタマイズ環境を構築できる端末だ」ということだ。
毎回マナーモードを切り替えたり、充電完了を確認したり、
「本来考えなくていいこと」に意外と脳のリソースを使っていないだろうか。
今回はMacroDroidというマクロツールで日常生活のタスクを自動化する方法を紹介する。
MacroDroidというツールにはトリガーにより、アクションを実行可能である。
そこに条件を組み合わせることで、より細かい設定が行える。
トリガー、アクション、条件にはあらかじめ用意された設定項目があり、
その中のUI操作だけで、
- 状況に応じて端末の状態を切り替え
- 状況や状態の通知
という日常生活のタスクを「考えなくて実行できる環境」を作ることができる。
まぁこれだけでは、ピンとこないだろう。
これから具体的なシーンとともに使い方を紹介していく。
実践①:「職場に近づいたら勝手に静かになるPixel」を作る
職場に入ったらサイレントモード
トリガー
- 位置情報:職場エリア圏内(ジオフェンス内に入る)
アクション
- サイレントモード ON
- 音量を下げる
- 画面輝度を下げる
条件
- なし
職場を出たら自動解除
トリガー
- 位置情報:職場エリア圏外(ジオフェンス外に出る)
アクション
- サイレントモード OFF
- 音量を上げる
- 明るさを自動調整する
条件
- なし
これの何が効くか
- 会議前に気を使わない
- マナーモード解除忘れがゼロ
- 「今どこにいるか」を考えなくていい
Pixelを環境依存型の端末として使えるようになる。
実践②:自宅では快適モード、外では省電力モード
自宅エリア圏内
トリガー
- 位置情報:自宅エリア圏内(ジオフェンス内に入る)
アクション
- アラームの音量=100%、システムの音量100%
- 画面の明るさを75%
条件
- なし
自宅エリア圏外
トリガー
- 位置情報:自宅エリア圏外(ジオフェンス外に出る)
アクション
- 画面の明るさを20%
条件
- なし
ポイント
- 自宅=充電前提、快適優先
- 外出先=バッテリー優先
これを一切操作せずに切り替えられる。

実践③:充電完了を音声が教えてくれる
設定内容
トリガー
- バッテリー残量 >=100%
アクション
- テキストを読み上げる(「バッテリーの充電が完了しました。」)
条件
- なし

なぜ音声なのか
- 画面を見なくていい
- 作業を止めない
- 充電しっぱなしを防げる
通知を「視覚」から「聴覚」に逃がすことで、
スマホが作業の邪魔をしなくなる。
なお、筆者は音声をひと工夫して、“ずんだもん”の音声にしている。
「充電が完了したのだ」という音声をmp3形式で保存し、充電満了トリガー時に読み込ませている。
無機質な通知音ではなく、キャラクターボイスなのが地味に楽しい。
実践④:Watch / Buds Pro 2の通知を音声で拾う
Pixel Watch や Pixel Buds Pro 2 の通知も
MacroDroidで拾って音声通知している。
トリガー
- 通知が表示された時(アプリ:Pixel Watch)、含む(「100%」)
アクション
- テキストを読み上げる(「Pixel Watchの充電が完了しました。」)
条件
- なし
効果
- スマホを見る回数が激減
- 重要な通知だけ耳に入る
- 作業の“中断”が減る
結果として、
見る回数は減ったのに、
情報の取りこぼしも減った
という逆転現象が起きている。

まとめ:MacroDroidはPixelの神経系
これは単なる自動化ではなく、
「状況に反応する端末」を作る第一歩だ。
だが組み合わさると、
- 状況判断をしない
- 画面を見ない
- 操作しない
という状態が作れる。
Pixelは「触る端末」ではなく、
“状況を察して動く賢い端末”に変わる。
その中核にあるのがMacroDroidだ。
次回予告(ここが重要)
今回はMacroDroidだけで完結する範囲に留めた。
次は、
- AI(Gemini / ローカルLLM)との連携
このあたりまで踏み込んでみたい。