― iPad mini × iPhone mini とiPhone Foldの分岐点
今日は大晦日だ。
2025年も、もうすぐ終わろうとしている。
今年最後の記事は、2026年に発売が噂されている iPhone Fold について、
折りたたみ端末を先行して使ってきた立場から、
その「ライフスタイルの分岐点」を考えてみたい。
0. 導入|折りたたみは「Androidの先行実験」だった
まず折りたたみスマホと聞いて、
多くの日本人が思い浮かべるのは、いまだに「Androidの変わり種」だろう。
Galaxy Fold、Pixel Fold、nubia Foldなど。
存在は知っている。
レビューも見たことがある。
だが、「欲しい」と「買う」、「使う」の間には、まだ距離がある。
一方で、Android勢の一部では、
すでにライフスタイルが変わってしまった人たちがいる。
端末が変わったからではない。
使ってみたら考え方が変わったのだ。
筆者もそんな一人だ。
そしてもし2026年に発売が噂される「iPhone Fold」が登場したら──
購入者のライフスタイルは、どう変わるのだろうか。
1. mini × mini は「間違っていなかった最適解」
まずは、過去の選択を否定しないところから始めたい。
iPhone mini と iPad mini。
いわゆる mini × mini 構成 は、タブレッドが好きな、
ガジェット愛好家たちには長らく理想的な組み合わせだった。
- iPhone mini
- 常に持ち歩く
- 軽い
- 電話と通知のハブ
- iPad mini
- 常にカバンに入れておく
- 必要なときだけ広い画面
- 読書、地図、調べもの
「小さい × 小さい」という割り切りは、
無駄がなく、合理的で、コスト面でも優秀だった。
当時の結論は、こうだった。
これが最強だ、これ以上は要らない。
mini × mini は、時にはIPadはカバンに入れたまま出番がない時もあるのだが、
確かに“完成された構成”だった。
もちろんクリエイティブ勢、お絵描き勢は、アプリや、ディスプレイの性能やペンの性能面から
iPad miniよりも上位のiPad AirやiPad Proが必要だと思っている。
2. mini x mini は「人間側の努力」が必要だった
だが、二つのデバイスを持ち歩くにあたっては、
以下の点がどうしても使う人の足を引っ張ることになる。
その一つは通信環境だ。
- テザリングをするか?
- 2回線契約をするか?
- Wifiの使えるカフェは席が空いているかどうか?
mini × mini 構成では、
こういった通信環境の設定を人間が毎回行う必要があった。
どちらも軽い。
そしてコンパクトだ。
だが、その裏側で、そういった回線の思考は常に働いている。
つまりmini × mini は、
端末の軽さと引き換えに、
回線の接続に関する判断をユーザーに委ねる設計だった。
2回線契約していればテザリングは意識する必要はない。
そして、慣れれば問題ない。
ただ、iPhoneで作業していた場合、その続きiPadで行うなどの場合は、
スムーズに切り替えはできず、同期したり、iPad側でも同じ作業が必要になる。
「何も考えずに使える」わけではない。
SafariなどはiCloud同期していればiPhoneで見ているWEBサイトが、
iPadやMac側でも見られるが、それ以外のアプリでは難しい。
3. Foldが消したのは「端末」ではなく「思考」
折りたたみ端末を、
「スマホとタブレットの中間」と表現する人は多い。
だが、実際にFold端末を使ってみると、その表現は少し違う。
Foldが消したのは、端末ではない。
両者を使う人の作業や思考だった。
- 電話をしながら、そのまま画面を広げる
- 調べものをしながら、そのまま読む
- 回線は常に1つ
タブレットとスマホの切り替えを考えない。
回線をいちいちテザリングで接続するなどを意識しない。
パッと出してスマホを広げるだけでいい。
Foldは、
端末を統合したのではなく、思考を統合した。
ここで初めて気づいた。
「2台をうまく使う」というこれまで人間が行なっていた工夫自体が、
すでに無駄なコストでもあったのだと。
4. iPhone Foldは、きっと高い
さて、ここで現実的な話をしよう。
iPhone Foldが登場すれば、
間違いなく高価な端末になると予想する。
(※筆者は40万近くなると予想する。)
- 初代モデル
- 折りたたみ構造(ディスプレイ3枚分)
- Appleの価格戦略
- 昨今の世界的なメモリ供給不足による価格高騰
安くなる要素は、正直全くないと言える。
だが、問題は価格そのものではない。
iPhone Foldは、
「誰に適しているか」を
はっきりさせる端末になっていくと考える。
iPad mini × iPhone mini を選ぶ人と、
iPhone Foldを選ぶ人。
この分岐は、金額の大小では説明できない。
5. 分岐点は「コスト」ではなく「思考の癖」
ここで、判断基準を整理してみる。
もちろんこの整理はあくまでも筆者の独断と偏見であることは理解いただきたい。
iPad mini × iPhone mini が向いている人
- テザリングが苦でない
- 2台を使い分けるのが楽しい
- コストを最優先したい
- 自分で切り替えることに抵抗がない
iPhone Fold が向いている人
- 何も考えずに行き来したい
- 端末を1台に集約したい
- 無駄な判断の回数を減らしたい
これは、優劣ではない。
どちらが正しいかではなく、
どちらのライフスタイルが自分に合っているか。
iPhone Foldは贅沢だ。
だが、その贅沢は2台時代に行なっていた「時間」と「思考」を買っていると言える。
6. 2026年に向けて
iPhone Foldは、Apple信者にですら非常に高価で買えないスマホになる。
その時、そもそもFoldが欲しいとなった場合、価格からAndroidに移行させるかを突きつける端末になるかもしれない。
ユーザにライフスタイルをを問い直すきっかけになってしまうかもしれない。
2026年、あなたはどれを選ぶだろうか。
iPhone Foldか
iPhone mini × iPad miniか
それとも Android のFoldか。
全員正解だ。
これから問われるのは、
スペックでも価格でもない。
どう使うか。
何を減らしたいか。
何を考えたくないか。
その選択そのものが、
ライフスタイルになっていく。


